枡を知る

枡の歴史

計量器から日本の伝統的な器へ。そして世界へ。

枡は元々、「量る器」、つまり計量器でした。
今でもお米やお酒を量るのに、「一升」とか「一合」というのは、長さは尺、重さは貫、体積は升を基本単位とした尺貫法の名残りです。

枡がお酒を飲む器として主流になったのは昭和30年代のこと。明治時代に導入されつつあったメートル法へ完全移行したため、枡は計量器としての役割を終えます。そして戦後、日本酒生産の復興により、枡は日本酒の「おまけ」として、またその美しい木目や香りの良さから、節分の豆入れとして、お祝い事の記念品として見事な復活を果たしました。現在では、海外でも日本の伝統的な器として注目されており、塩や胡椒入れとして活躍しています。

大垣と枡

全世界でシェアNo.1のきっかけは、衣斐量器の先代にあり。

大垣市は、岐阜県下一の工業都市。清らかな水源に恵まれ、「水の都」とも呼ばれています。
この地で日本一の生産量を誇るのが枡です。
海外では作られていませんから、世界一といってもいいでしょう。

枡の材料「ヒノキ」

美しい木目、癒やしの香り。貴重な天然の銘木。

枡に使用されているのは、天然の木曾ヒノキ。「木曾五木(ヒノキ、サワラ、ヒバ、コウヤマキ、ネズコ)」の中で最も良質な銘木と言われています。

半径が30センチ成長するのにおよそ300年かかるといわれる貴重な木材で、目がしっかりと詰まった木目と美しい色合い、加工しやすく耐久性が高いのが特長。神社・仏閣の建築材として使われるほか、抗菌効果があるため、まな板や寿司屋さんのカウンターにも利用されています。さらに森林浴をしているような爽やかな香りは、日本酒の味や香りをより引き立ててくれます。